態度が悪い客の心理を理解すると、今までよりも接しやすくなる可能性が高いです。接客業をしていて、横柄な態度をとってくるお客がいるとストレスを感じてしまうもの。
上手に対応するためには、相手の深層心理を知って柔軟な対処の仕方を理解することが大切です。では今回は、態度が悪い客の心理に隠された思いや適切な対処法について詳しくお伝えしていきましょう。
態度が悪い客の心理に隠れた思い
言葉遣いが荒かったり、理不尽なことを言ってきたりする客は、意外な思いを抱えている場合もあります。では、態度が悪い客の心理に隠れた思いについて詳しく見ていきましょう。
不満が蓄積されている
態度が悪い客の心理になる人は、ストレスが溜まっている可能性があります。普段は礼儀正しく温和な性格の人も、蓄積された不満やストレスによって取り乱してしまうことはあるでしょう。
例えば仕事が上手くいっていなかったり、プライベートで辛い出来事があったりすると、他者に八つ当たりしてしまうことも。
よくないとはわかっているのですが、つい言葉使いが荒くなり態度が悪い客になってしまう場合もあります。
相手より優位に立ちたい
店員よりも客のほうが偉いと思っているため、相手より優位に立つために高圧的な態度をとる人もいます。「私を誰だと思っているの?」「お客様は神様だろう」などと言うのは、自分のほうが立場が上だと思い込んでいる証拠です。
お客のほうが偉いので何を言っても許される、店員は何でも言うことを聞くべきだと誤解しているケースです。厳しい言葉で相手を打ち負かして満足していることもありますが、周囲が迷惑を被っていることはいち早く理解したほうがよいでしょう。
常に自分が正しいと思っている
態度が悪い客の心理になる人は、自分の言うことは何でも正しいと思い込んでいる場合があります。自分が嫌だと思えば、相手や周囲の人がどう思うかは関係なく、断固として拒否するでしょう。
常に自分が正しいと思っている人は、他者から何を言われても意見を変えることはありません。むしろ自分と異なる考えを持つ人がいると、強く否定したり価値観を押しつけたりすることが多いでしょう。
このため「自己中心的な人」と思われやすく、職場でも友人の間でも孤立してしまう場合もあります。
他人の気持ちがわからない
日々他人がどのようなことを考えて行動しているか想像する習慣がないのも、態度が悪い客の心理になる人の特徴です。他者の信念や努力していること、自分のためにしてくれたことなどを理解しようとしないために、横柄な態度をとってしまう人は多いでしょう。
例えばお店にいる時も、スタッフがどのような気持ちで働いているか、使用後のお皿を片付けてくれるのかなどを考えていれば、誠実にやりとりできるはず。しかし他人の気持ちがわからないと、まず自分の気持ちを優先するようになってしまいます。
態度が悪い客がよくする行動
「態度が悪い客」と聞くと、どのような行動が思い浮かぶでしょうか。接客業に就いている人もそうでない人も、態度が悪い客の行動を知っておくと対応しやすくなる可能性があります。
声をかけても無視する
態度が悪い客は、店員から話しかけられても意図的に無視することがあります。例えば「いらっしゃいませ」と声をかけられた時も、挨拶を返すどころか会釈すらしない場合も。
これはそもそも対話を避けたい、あるいは対話するのが苦手ということがまず考えられます。目を合わせて挨拶するのが苦手なので、自分でもよくないとわかっていても無視してしまうケースも。
また、店員に敬意を持っておらず、挨拶する必要がないと思い込んでいる可能性もあるでしょう。この場合は、他の瞬間にも態度の悪さが目立つはずです。
命令口調で高圧的な態度をとる
気が強い人は、店員に対して命令口調で話したり、高圧的な態度をとったりすることがよくあります。相手を選んでそのような態度をとる人もいれば、友人や職場仲間の前でも当たり前のように命令口調で話す人も。
元々攻撃的な性格の人なら、誰かが指摘してくれない限り、自分の言動が不適切であると気づかない可能性が高いです。困った時には、上司に相談して代わりに対応してもらうことが望ましいでしょう。
物を乱雑に扱う
商品など、お店にあるものを乱雑に扱うのも、態度が悪い客の特徴です。ストレスが溜まっており、気分をすっきりさせるために物に当たっている可能性もあるでしょう。
また、元々大雑把で整理整頓が苦手なタイプだと、無意識のうちに物を粗雑に扱ってしまうことも。悪気はなく、ただ丁寧に扱う習慣がないというケースもあります。
この場合は、穏やかなトーンで注意することが大切です。「恐れ入りますが、商品を扱われる際は、もう少し優しく触っていただけますとありがたいです」のように伝えると角が立ちにくいです。
過剰な要求をしてくる
店員に対して過剰に要求するのも、態度が悪い客の特徴のひとつです。特に商品に欠陥があった、サービスが遅延したなど、問題が発生した際に起こりやすい二次的なトラブルといえます。
お店に対して不信感を持っていたり、叶えてもらいたい要求があったりすると、自分の思い通りにするために強気な態度をとってしまう人もいます。
態度が悪い客への適切な対処法
態度が悪い客がやってくると、とても迷惑に感じることも。しかしそれでも適切に対応することは、接客業においては避けて通れない問題といえます。では、態度が悪い客への理想的な対処法について詳しくお伝えしていきましょう。
冷静な態度で接する
態度が悪い客は、感情的になったり理不尽なことを言ってきたりすることがよくあります。その態度に店員側が苛立ちを覚え、つい怒りを露わにしてしまうケースもあるかもしれません。
しかし責任を持って仕事をすることは忘れないようにして、なるべく落ち着いて状況を判断しましょう。相手が何に対して不満を抱いているのかも、冷静にならなければ見えてこない可能性があります。
相手の言い分を最後まで聞く
状況を正しく把握するためには、相手の言い分をきちんと聞くことも必要不可欠です。相手の言いたいことを最後まで聞き、何に対して不快感を覚えているのか、どうすれば解決できるのかを考えるようにしましょう。
話を聞くことに抵抗を覚える場面もあるかもしれませんが、相手の言葉に耳を傾けて理解を示すと、驚くほどスムーズに事態が収まる場合もあるのです。
否定はせず依頼形で伝える
挨拶を返してくれない、タメ口で話しかけてくるなど、店員から見て不快に感じる瞬間は色々とあるでしょう。中でも、周囲のお客様に迷惑がかかるような行為をする人には、思いきって注意する必要があります。
その際には、否定形ではなく依頼形で伝えることが効果的です。「やめてください」「お帰りください」のような言い方ではなく、「本日大変混み合っておりまして、食事を終えられましたら席をお譲りいただけると幸いです」「少しお声を落としていただいてもよろしいでしょうか?」というような注意の仕方が望ましいでしょう。
上司に相談する
接客中に問題が生じると「自力で解決しなければ」と責任を感じる人もいるでしょう。しかし深刻な状況だと、一人ではどうにもならない可能性もあるのです。
このためあまり無理はせず、困った時は上司に相談することが大切です。お店の責任者である店長や、頼りになる先輩に助けを求め、状況を落ち着かせてもらうようにしましょう。
まとめ
態度が悪い客の心理には、理解しづらいところも色々とあるでしょう。しかしストレスが溜まっている時や心に余裕がない時は、他者に丁寧に接することができない場合も。
そんな事情がある可能性も視野に入れ、冷静に対応すると、状況を好転させることができるでしょう。結果的にコミュニケーション能力がアップし、自分にとってプラスになる場合もあるのです。